2種類の資産運用を知りましょう(マネーゲームと分かち合いの違い)

資産運用というと、株式や債券、コモディティや為替など、色々な手段・方法があるわけですが、いずれによせ、一般の方が持つ資産運用に対するイメージは、難しい、怖い、危ない、損する、などなど、どちらかというとネガティブなイメージの方が多いかもしれません。そこで今日は、資産運用を2種類に分けてご紹介します。

1、奪い合いの資産運用

まず一つ目ですが、皆さんがネガティブなイメージを持ってしまうのはこちらの方で、奪い合いの資産運用、いわゆるマネーゲームと言われるものに当たります。

株や為替や商品の将来の価格を”予想”し、当たると収益が得られ、外れると損失が出ます。このゲームでは必ず勝者と敗者に分かれることになるのです。

例えば、皆さんがある秘密ルートでA社の株が上がるぞ、という情報を得たとしましょう。今すぐ株を購入したいわけですが、皆さんが株を購入するためには、必ず誰かが売ってくれてないと購入できません。ではここでは運よく株を購入できたとします。そしてその後情報通り株が上がって収益を挙げられたとします。

なぜ皆さんは儲かったのかというと、その秘密情報を得た時に、株を売ってくれた人が居たからです。売ってくれた人は、皆さんと同じ情報を持っていなかったから手放したのです。(上がるのを知っていたら売らないですからね)結局その売ってくれた人に勝ったわけです。

逆もしかりです。皆さんが保有している株が、どうやら下がるらしいという情報が入ったとしましょう。皆さんは下がる前に今すぐ売り抜けたいですよね。売るためには、誰かに買ってくれないと売れません。ではここでは運よく誰かが買ってくれたとしましょう。そしてその後株が下がったら、皆さんは安堵に胸をなでおろしますが、反対に買ってくれた方は損をします。結局皆さんは、買ってくれた人に勝ったわけです。

このように必ず勝者と敗者が存在する状況を、ゼロサムゲーム(1つのパイの奪い合い)といいます。

仮想通貨で億り人になったと一時ニュースになったことがありましたが、その裏には、億単位で損した人々が世界のどこかにいるわけです。ちょっと気の毒になりますよね。

ですから、デイトレードやFX結局は、上がるか下がるかのマネーゲームに他なりません。

ちなみに日本の東証一部で売買される株式市場に参加者は、約80%が機関投資家(所謂プロ)や外国人投資家、残りの20%が個人投資家です。プロがひしめき合うマーケットで勝ち続けるのは、、、相当大変だと思いませんか。もっと言ってしまうと、プロが持つ情報伝達速度は、今の時代0コンマの世界です。結局20%の個人投資家がいるからプロが食えているとも言えるわけです。(日本取引所(JPX)による毎週の投資部門別売買状況はこちらで確認できます。)

2、分かち合いの資産運用

もう一つの資産運用は、分かち合いの資産運用になります。

今すぐ使う予定がないお金を銀行に預金する。すると銀行は、新規事業を立ち上げたいと思っている経営者に融資したり、マイホームを建てたいと思っているお父さんの住宅ローンを手配したり、社会においてお金を必要としているところに貸し出します。借りた企業や人は、金利を付けてお金を返し、その金利の一部を銀行と預金者が分け合います。(これを銀行を介した間接金融と言います。)

一方間接金融に対して直接金融という方法もあります。(=直接必要としているところにお金を融通することです。)

債券という方法で、資金を必要としている会社に直接貸すことができます。(債券が借主から発行されます)借主はそのお金を使って事業をします。そして約束の期限に金利を付けて返します。

株式という方法もあります。例えば将来有望だと思うApple社の株を買います(出資します)。するとAppleの役員はそのお金を使って利益を目指します。新しいiPhoneを開発研究するために使うかもしれないし、新しいAppleショップを世界中に展開するかもしれません。いずれにせよ新しいiPhoneが作られ、世界中のAppleショップの従業員が頑張って働き、iPhoneが売れてApple社が儲かると、株主は配当がもらえます。

これら預金・債券・株式は、本質的に何をしているかというと、お金を手元で今すぐ必要としない人が、お金を今すぐ必要としている人に、預金だったり、債券や株式という形で提供しています。そしてお金を必要としていた人が得た収益を預金や債券金利、配当という形で分け合っているわけです。

こちらは社会全体が勝者になることが可能です。(ですから同じ預金でも、タンス預金は全くこの部類にははいらないですね。)

社会発展に繋がるかもしれないですし、お給料も上がったり、役員報酬も上がったり、その社会に携わる人が皆幸せになれるのがこの分かち合いの資産運用です。

ということで2つの資産運用を見てきましたが、奪い合いの資産運用はやはり怖いですよね。敗者になれば必ずお金を失いますからね。

一方分かち合いの資産運用は、多分今お読みいただいている方で、銀行預金をされてない方はほとんどいらっしゃらないと思いますので、実は皆さんは既に実践しているわけです。ですからこれからは、更に一緒に勉強していただいて、その他の分かち合いの資産運用も実践し、更なる社会貢献をしていただけると宜しいかと思います。

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