COVID-19(新型コロナウィルス)が保険会社と保険契約に与える影響

今回のCOVID-19(新型ウィルス)により、多くの企業が営業・利益の面において様々な影響が出ています。そんな中、契約している保険の契約にどのような影響があるのか、保険会社が破綻したらどうなるのかといった、ご心配の声を多くいただきましたので、少し解説いたします。

保険商品の予定利回りへの影響は

保険会社は、契約者から預かった保険料を運用するわけですが、その多くが様々な債券への投資で成り立っています。そしてその主な運用先は国債です。(円建ての保険であれば日本国債、米ドル建てであれば米国債といったかんじです)しかしその債権利回りが、各中央銀行が金融緩和政策に向かったため急激に低下してます。

日本国債10年物の1年チャート

日本では、日本銀行によるマイナス金利政策が2016年1月よりスタートし、金利には継続的に低迷しています。(日本国債10年物‐0.02%(5月8日時点)

4月27日の金融政策決定会合でも、日銀が積極的に国債を買い入れれることを決定しています。従ってまだまだこの低金利が続くことが予想されます。こうなると、日本の保険会社は、日本国債での運用ではリターンが出すのが難しいので、円建ての保険商品は売り止めになるものも出てくるでしょう。

米国債10年物の1年チャート

一方アメリカにおける10年物米国債も、昨年であれば2%近くあったものが、今では1%を切ってしまいました。(5月8日時点で0.64%)

では保険会社の運用も、この債券市場と同じのように急激に下がっているのか、また、契約している保険商品の予定利回りにどのような影響がでているのかですが、実のところ現段階ではほとんど影響がありません。

何故かというと、この利回り低下の影響を受けるのは、これからの新規契約分であったり、今満期で償還を迎え、債権の入れ替えを必要とする分になります。そして入れ替えが発生する分は、保険会社が保有するうちのごく一部のみであり、既契約の予定利回りにいますぐ直結するようなことはまずありません。

しかし、この状況が今後長期継続した場合は、徐々に当初の予定利回りを下回る可能性はあります。去年作成してもらった保険商品の予定利回りと、新たに貰った設計書の予定利回りが違う、と言ったことはあり得ます。

これは保険商品の特徴(メリット)なのですが、保険会社は実際に相当な数の債券で運用をしていますから、保険商品で運用することで、個人では不可能なぐらいの、実はすごい数の分散投資が可能になっているわけです。ですから、全体に与える影響は、短期的には大したことがないのです。ただ逆もしかりで、仮に債券金利が上昇しても、保険での運用の場合は、すぐに利回りには反映されないということになります。

保険会社は破綻しないのか

次に保険会社の破綻リスクについてですが、保険会社では、契約者の保険料と株主資本は、法的に分別勘定(会社の資産と保険料は別々の管理)となっているのが一般的です。ですから保険会社が破綻したからと言って、契約者の保険料が債権者に支払われることは絶対にありません。

保険会社の役割として、契約者に何かあった時(例:死亡時や病気になった時)に支払いが発生するわけですが、その時に破綻されていては困ります。ですから監督庁による保険会社の財務健全性の監視は、とても厳しく、また定期的な検査も行われております。

従って今回の新型ウィルスの影響での保険会社の破綻リスク自体は、とても低いとみております。ちなみに香港では、過去に保険会社が破綻したケースは一度もありません。香港の保険会社が破綻した場合については、Q&Aに掲載しておりますので、そちらをご覧ください。(Q&A香港の保険会社が破綻した場合

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