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日本人が海外資産を持つべき理由

アメリカ的資産形成とヨーロッパ的資産形成

生涯日本で生活することが前提の方は、海外資産を持つことの必要性を普段の生活から感じることはあまりありません。また海外駐在される方は、一旦は海外に生活基盤が移ることで一時的に海外資産を持つことはあっても、帰国後にはまた円資産だけに戻る方も多いのではないでしょうか。
私はアメリカ、ヨーロッパ、アジアの4か国で20年以上仕事をし生活してきましたが、日本が治安、インフラ、文化、飲食事情など、多くの点で大変すばらしい国だということを身をもって実感できました。ですから日本に住み続けたい、生活基盤は日本にもちたい、と思う気持ちはよくわかります。

自分の生活基盤と金融資産の保有先を一緒にするのは分かり易いです。例えばアメリカ人はその代表格です。アメリカは世界で最も裕福な国です。世界最大の軍事力で守られた米ドルは、世界で最も信用ある通貨です。GAFAといった大企業は全てアメリカ上場企業で、今我々の生活に欠かせないものを提供し世界中で収益を上げています。アメリカ人は、自国の株式、米国債に投資をすることで、ある意味安全な資産運用をし人生を送ります。

これと真逆をいくのがヨーロッパです。ヨーロッパは近隣諸国との戦争の歴史です。自国が戦争に負ければ資産を失うというリスクをいつも抱えていましたから、ヨーロッパの富裕層たちは資産を分散することを常に考えていました。
この考え方は新興国にも当てはまると思います。新興国では経済発展に伴うインフレによる資産価値の下落や、不安定な政治リスクを回避するために、米ドルやユーロといった先進国の通貨で、自国以外の国々で資産形成をします。

日本人が目指すべき資産運用は

では私たち日本人は、アメリカ的資産形成と、ヨーロッパ的資産形成のどちらを選択するのがよいのでしょうか。結論から言ってしまえば、答えはその時々の経済環境によって変わり、一昔前であればアメリカ的資産形成、現在はヨーロッパ的資産形成がよいのではと思っております。

戦後の日本経済は高度経済成長によって日本の株式、不動産も上がり、日本円も1ドル=360円の固定相場制から変動相場制で300円、200円、100円とどんどん強くなっていき、日本は「アジアの奇跡」と言われるぐらい世界でも裕福な国になりました。
下図は日本円の実質実効為替レートの推移です。実質実効為替レートとは、世界主要国の為替レートに物価上昇分を加味した指数で、世界の通貨に対する日本円の価値を表しています。1970年頃から高度経済成長の波に乗り1995年まで上昇局面でした。1970年の60ポイントから1995年の150ポイントですから、日本円の価値が世界の通貨に対して2倍以上の価値になったのです。この時代であれば、日本円の資産を持っていれば、対外的にも十分資産を増やすことができたことが分かります。つまりアメリカ式資産形成が有効な時期だったと言えます。

この絶頂期、1995年における日本人GDPは世界第2位でしたが、一人当たりGDPは、アメリカ人の約1.5倍で世界1位でした。世界で最も豊かな国民1億2千万人が日本に住んでいたと言えるのが正にこの時期です。(下図参照)

問題はその後です。バブル経済が崩壊し指数は下降の一途です。「失われた20年」というフレーズの通り日本経済は低迷し続けました。日本はデフレ経済に突入し賃金もほとんど上昇しませんでしたし、株式もずっと低迷していました。実質実効為替レートは1995年から2020年までの25年間で半分になってしまいました。つまり世界標準でみた円の価値が、半分になったことを意味します。別の言い方をすれば、この25年間でご自身の資産を2倍にできていない方は、世界標準では資産の目減りを意味するのです。

この下落は、日本国内だけで生活していると分かりにくいのですが、海外に行くと少し実感し易いです。
例えば、高度経済成長期の日本人は海外旅行先のイタリアやフランスで、高級ブランド製品を「安いから」と言って爆買いしていましたが、今は以前と同じような感覚では買い物はできないですよね。また新興国に旅行にいっても、以前より色々なものが高く感じることも多いぐらいです。これは現地通貨のインフレ(価値の下落)以上に円の価値が下がったから高く感じてしまうのです。
昨今は多くの中国人が日本に来ては爆買いするようになりました。彼らは爆買いをする理由を、口をそろえて「日本は安いから」と言います。日本の製品が安くなった分品質が下がったのならわかりますがそうではないです。これは25年間で立場が逆転していることに他なりません。実際国別GDPでも、世界第2位は中国であり、日本は第3位です。(下図参照)

日本は生活必需品の多くを輸入に頼っており、外国との取引・貿易は必須です。そして経済成長もバブル崩壊以降世界標準並みとは言い難いです。これらを踏まえると、自国だけで資産形成にこだわることはむしろ高リスクであり、日本より成長が期待できる国々に分散し資産を保有し運用する方法、つまりヨーロッパ的資産形成の選択が賢明だと私は思います。

日本人は世界でもホームバイアス(自国での資産保有に偏ってしまうこと)が高い国民と言われておりますが、今こそマインドを一度リセットし、時代に即した運用を検討するべきではないかと思います。

資産形成に関するご相談は、お気軽にいつでもお問い合わせください。

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