台湾駐在員必見!赴任前に知っておきたい台湾の生活環境

日本人が駐在員として派遣される地域は世界各地にございますが、その中でも台湾は、日本人が生活しやすく、適応しやすく、そして働きやすい地域の一つとして、上位に入ってくると個人的には思います。

台湾は親日の方が多いことでも有名です。訪日外国人数は、中国人、韓国人に次いで3番目に多いのが台湾人です。東日本大震災時も、先陣切って多大な支援をしてくれたのもはご存じの通りです。実際台湾で普段生活をしていても、親切にフレンドリーに接していただく機会は多いです。

これから台湾駐在をひかえ、日本ご出発前に知っておくとよい台湾の基本情報、生活関連(衣食住)の情報をまとめてみました。少しでもご出発前の不安解消にお役に立てれば嬉しいです。私の滞在先が台北のため、一部台北が中心の内容となっております。ご了承ください。

台湾基本データ

まずは外務省発表の台湾基本データをまとめてみました。

項目概要
政体三民主義(民族独立、民権伸長、民生安定)に基づく民主共和制。五権分立(行政、立法、監察、司法、考試)
総統蔡英文(さい・えいぶん:Tsai, Ying-wen )
人口約2,360万人(2020年2月)
面積36,200㎢(離島を除いた九州とほぼ一緒)
名目GDP6,050億米ドル(2019年)
一人当たりの名目GDP26,528米ドル(2019年)(日本は40,689米ドル)
主要産業(製造業)電子・電気、化学品、鉄鋼金属、機械
貿易総額6,151億米ドル(2019年、台湾財政部統計処)
(輸出額:3,293億米ドル、輸入額:2,858億米ドル、収支:+435億米ドル)
主要貿易相手先(1)輸出(2018年):中国、香港、米国、日本、シンガポール
(2)輸入(2018年):中国、日本、米国、韓国、ドイツ
主要貿易品目(1)輸出:電子電気機械、鉄鋼金属製品、精密機器、プラスチック製品
(2)輸入:電子電気機械、原油・鉱産物、鉄鋼金属製品、化学品
実質経済成長率2.71%(2019年)
失業率3.73%(2019年通年平均値)
日台関係1972年の日中共同声明にあるとおり、非政府間の実務関係として維持
日台経済関係 対台貿易(2019年、財政部統計処)
(ア)貿易額
輸出: 440.4億ドル
輸入: 232.9億ドル
(イ)主要品目
輸出: 電子部品、金属・金属製品、情報通信機器、一般機器、化学製品
輸入: 一般機器、電子部品、化学品、金属・金属製品、プラスチック・ゴム
日台人的往来・日本からの訪台者数約217万人(台湾交通部観光局・2019年)
・台湾からの訪日者数約489万人(JNTO・2019年)
外務省基礎データより抜粋

台湾在住の日本人

2020年外務省の統計によると、海外在留日本人は141万人で、最も多い地域は北米で51.8万人、次いでアジアが41.4万人です。北米とアジアで、全体の3分の2を占めています。
141万人の海外在留日本人のうち、台湾在留邦人数は25,678人(前年比+5.8%)で、世界第13位です。(台北在住者は12,581人(前年比+6.0%))

全体集計長期滞在者(含駐在員)永住者
全世界1,410,356(+1.44%)891,473(+1.69%)518,883(+1.00%)
北米518,755(-0.33%)261,420(-1.14%)257,335(0.49%)
アジア414,380(+2.63%)376,727(+1.87%)37,553(+10.93%)
台湾 25,678(+5.8%) 21,730(+3.2%) 3,948(+22.5%)
(出典「海外在留邦人数調査統計」(外務省 令和2年(2020年)版) )

台湾に進出している日系企業(拠点)数は、1,229社(2019年10月時点)で世界第12位です。長期滞在者、永住者、企業数ともに毎年着実に増えております。(この増加傾向は台湾だけでなく、世界全体の傾向とも言えます。)

気候

台湾の緯度は、沖縄県石垣島や宮古島とほぼ一緒です。台湾の北は亜熱帯気候、南は熱帯モンスーン気候に属します。冬場は、東京の最高気温が台湾の最低気温ぐらいなので、とても過ごしやすいです。どんなに寒くても10度を切ることはほとんどありません。夏場は気温34度ぐらいまで上がりますが、日本の猛暑地のように40度に達することはありません。ただ湿度は1年を通して高めなので、まとわりつくじめじめの暑さは、日本と同じように感じます。

台湾-東京比較

言葉

基本は中国語(台湾語)です。英語は通じないことが多いです。看板も英語併記されていないことは多いので、中国語が分からないと少し不便を感じるかもしれません。しかし私たち日本人は、漢字からある程度意味の予測ができますので、よく使う単語さえ理解しておければ、生活にはそれほど支障はございません。

一方日本語が通じる場面に結構遭遇します。街角の露店店主が、日本人とわかるや否や日本語で話しかけてくれたりすることもよくございます。街中における「日本語通じる割合・度合」は、アジア圏では台湾が一番だと思います。日系企業ですと、職場で日本語が話せるスタッフは、間違いなく数人はいらっしゃると思います。そのぐらい日本・日本語と台湾の距離は近い、というのが個人的感想です。

歴史も手伝って、日本語が分かるお年寄りも多いようです。台湾総督府の館内ツアーに参加したことがあるのですが、ガイドのボランティアの方は、現役を引退した台湾人の方で、流ちょうな日本語でガイドをしてくれました。街中で言葉に困ったら、思い切って日本語で話すと、運がよければ通じるかもしれません。(笑)

とはいえ折角の海外赴任の機会ですので、是非中国語もこの駐在期間中に勉強してみてください。日本人は漢字を使う国民なので、英語よりも易しいはずです。また郷に入れば郷に従え、あなたが中国語で話しかけてあげれば、台湾の方も間違いなく喜んでくれるはずです。

住居

台湾には現地ローカル不動産屋の他に、日系不動産会社も多く進出しています。日系不動産会社は、駐在員が好む物件を多く取り扱っていますが、ローカル不動産会社と比べると、若干割高になるのはどこの国でも一緒です。しかし日本語でフルサポートしてもらえるので、何か問題があった時にはやり取りがスムーズです。

ご自身で探すことも可能です。「591」という不動産検索サイト・アプリが、台湾では広く利用されており、たくさんの物件が掲載されております。私はこの「591」を使って自分でアパートを探しました。

希望の条件やエリアなどを入力すると、適当な物件がリストになって表示されます。(右図)不動産業者を介さないオーナー直の物件も多く掲載されており、家賃や条件等の個別交渉もできます。このアプリは、中国語のみ(英語も日本語もございません)ですが、私の拙い中国語でも何とか取り扱うことができました。

「591」の使い方・見方を非常にわかりやすくまとめている日本語ブログをみつけましたので、ご参考まで紹介しておきます。

にじいろ台湾のウェブページへ

古い物件は、雨漏りにご注意ください。台湾は台風もよく直撃しますので、大雨時に雨漏りするアパートをよく耳にします。また一年を通して湿度が高めですので、お風呂場などの水回りは、換気が悪いとカビが発生しやすいです。

居住地ですが、お子さまがいらっしゃるご家族の方は、日本人学校・アメリカンスクールがある天母(ティエンム)に住む方が多いです。そして単身者は、多くの企業がオフィスを構える中山・松江南京エリアに賃貸される方が多いようです。このエリアは、飲食店も多く、林森北路という日本人ご用達の繁華街が近いのも理由の一つだと思います。(台北の場合です)

交通

台北市内は、公共交通機関でほとんどの移動を網羅できます。地下鉄は全部で5線、バスはバス専用レーンが街中にあるので、朝夕の混む時間帯でもスケジュール通りの移動ができます。またタクシーも初乗り約280円ですので、自家用車がなくても、地下鉄・バス・タクシーで、普段の生活に不自由は感じません。ゴルフ場ですら、車で1時間程度の所に多くございますので、タクシーの乗合いで行くことも普通です。(日本ではあまり考えられれないですよね)

台北地下鉄マップ

タクシー料金

  • 初乗り1.25㎞:70元(約280円)
  • 200m毎に+5元
  • 待ち時間1分20秒毎に+5元
  • 深夜料金:+20元(23時~翌6時の乗車)

また街中の至る所にレンタルサイクル「YouBike」があり、指定の駐輪場であればどこでも乗り捨てができるので、ちょっとした移動にとても便利です。(事前登録が必要)

YouBikeウェブサイトはこちら

台湾の北側エリアには、桃園空港と、松山空港の2つの空港がございます。国際線の多くは桃園空港発着です。台北市内よりエアポートエクスプレス(電車)で40分、タクシーで50分、空港リムジンバスで1時間程度です。
松山空港は台北市内にございますのでアクセスは抜群ですが、日本発着便は便数・空港共に限定された空港のみです。

桃園空港ウェブサイト(日本語)はこちら

松山空港ウェブサイト(日本語)はこちら

食事

台湾料理は、比較的日本人の口に合う料理だと思います。そして台湾の食文化は外食が当たり前なので、大なり小なりの飲食店は至る所にございます。屋台から高級レストランまで、色々な台湾料理をお楽しみください。ちなみに昼食は、100台湾ドル(約400円)ぐらいのお弁当で済ませることもできるのはありがたいです。

中華料理が苦手な方もご安心ください。台湾には日本食も十分にございます。台湾人が経営する日式レストラン(少しローカルチックなリーズナブルな日本食屋さん)から、日本人経営の居酒屋・高級割烹まで何でも揃います。そして大手飲食チェーン店もたくさん日本から進出しておりますので、単身者は、自炊せずに食生活には不自由しないはずです。お値段は日本と同じかそれ以上のこともございますが、基本的にお金を出せばなんでも食べることができます。

中山駅から徒歩圏内にある「林森北路(リンセンベイルー)」エリアは、接待・会食・飲み会などで日本人駐在員がよく利用する歓楽街 です。元々は日本統治時代の日本人街ですが、今も日本語の看板やネオンがその当時の雰囲気を醸し出しています。日本人が経営するレストランや居酒屋、日本語が通じるラウンジ、スナックもたくさんございますので、お気に入りのお店を見つけてください。

お酒にまつわるお話

台湾では日本酒がとても高いので、お土産にすると大変重宝されます。

駐在員が巻き込まれるトラブルの筆頭は、飲み屋関係の女性とのもつれだそうです。

物価と消費者物価上昇率

台湾の物価は、相対的に日本より安いです。Big Mac Index(各国の経済力を測るための指数)は、日本の3.43に対し、台湾は2.59です。そして台湾の大卒初任給は2万8800台湾ドル(約11万5千円)なので、だいぶ日本より安いです。

台湾の消費者物価上昇率は、年平均1%前後ですので、さほどインフレを体感することはありません。

ちなみに台湾をはじめ、日本、そしてアメリカのインフレターゲットは皆年2%です。しかし達成できているのはアメリカのみです。(下図参照)日本に関しては、台湾よりもインフレしていない=つまり経済成長していない状況が長年続いておりますので、失われた20年が30年になろうとしている今、かなり危機的状況かもしれません。多分台湾で外国製品に触れる際、日本の製品が安いと実感するはずです。

国別20112012201320142015201620172018201920202021
台湾1.371.621.031.35-0.611.031.091.500.56-0.181.60
日本-0.28-0.050.332.760.80-0.120.490.990.47-0.03-0.17
米国3.142.071.471.620.121.272.142.431.811.254.28
IMF World Economic Outlookより(2021年は10月時点推計)

台湾ドル・両替

台湾ドル・円の為替レートは、1台湾ドル=4.12円(2021年12月時点)でここ10年で最も高くなっております。(「日本円が下がっている」が正しいかもしれません。)ですから日本から赴任されたばかりの方は、最近の台湾は少し割高に感じるかもしれません。

台湾ドル円の推移

台湾ドルへの日本円両替は、台湾空港内の両替所でも良心的なレートになっております。(日本の空港内両替所は、為替レートが著しく悪いので、台湾到着後の両替がお勧めです。)

台湾駐在中にぜひ意識していただきたいこと

視野や人間関係を広げるチャンス

会社や立場によって違いはあるにせよ、海外駐在の醍醐味の一つは、日本よりもダイナミックな仕事ができることだと思います。そして仕事以外にも、異業種交流、趣味の集まりなどを通して、新たな人間関係やネットワークを作ることもでき、将来の大きな財産になるかもしれません。言語・文化・習慣が全て違う異国ですので、日本では経験することがなかったストレスや困難もございますが、ポジティブに捉えれば、それらは全て成長の伸びしろとも言えます。皆さまの台湾駐在が、チャレンジングで実りある滞在になることを祈っております。

自助年金・不労所得を作る絶好のチャンスです!

そして海外駐在員は、日本で働いていた時より収入や条件がよくなる方は多いと思います。教育費、住居費、日本の税金、その他手当などが会社負担となり、結果として自由になるお金が増えます。さらに台湾の物価は日本より安いですから、台湾駐在中は、将来のための資産形成を始める絶好のタイミングです。

折角収入が増えても、そのまま支出に回してしまえば、少し贅沢ができただけでその後何も残らず、何も変わりません。あればあっただけ使ってしまう「パーキンソンの法則」に私たちは意識をしていないと陥ってしまいます。(詳しくは下記)

そこで増えた収入の一部または全部を、本多清六が行ったように「お金を産むものへ投資(=資産運用)」することができれば、彼のように将来お金に困らず好きなことができるかもしれません。資産運用の方法はたくさんございますが、その一つの方法として、「海外金融を活用した資産運用」は台湾駐在中にぜひ意識してみてください。

台湾駐在中が資産運用のチャンスである理由は、収入が増える以外にもう一つございます。

日本には「金融商品取引法(金商法)」という法律で、 海外の金融機関による(金融庁の認可のない)金融商品の営業を認めておりません。ですから日本居住者は、待っているだけでは海外金融の情報は一切入ってこない、海外金融の情報が入りにくい環境となっております。
一方金融商品取引法は国内法ですので、台湾在住中はその影響を受けず世界の金融情報を直接取得することができます。この自由に情報が得られる環境は、「海外駐在最大のメリット」と言っても過言ではありません。

例えば台湾のお隣「香港」は、面積にして札幌市程度の小さな地域にもかかわらず、

・アジアで最も金融が発達した金融先進都市であり、

・世界経済自由度ランキングで25年連続世界1位を獲得し、

・世界の富裕層が多く居住し、資産運用をしていることをご存じでしょうか。

低金利が当たり前となってしまった日本とは違い、香港では年利4~5%の金利が貰える運用商品は普通のことですし(例:米ドル建て貯蓄型保険)、運用のプロに任せることもできます。そういった運用商品を利用し資産運用がスタートできるのは、海外駐在員の特権です。ぜひ台湾駐在を、有利な資産運用をはじめる第一歩にしていただければと思います。

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