台湾駐在中に知っておきたいー投機と投資の違い(アニメ動画解説付き)

資産運用には2種類あるのをご存知でしょうか。投機と投資、言葉は似ていますが本質が全く違います。この違いを理解しておくと、資産運用での成功が近づくはずです。

投機とは

デイトレード(株式)、FX(為替)、コモディティ(金など)、仮想通貨など、運用手法として、一度は耳にしたことがあると思います。これらの運用はすべて、

買った株が、買値より上がれば儲け、下がれば損失。

買った円やドルが、買値より上がれば儲け、下がれば損失。

買った金が、買値より上がれば儲け、下がれば損失。

買ったビットコインが、買値より上がれば儲け、下がれば損失。

といった具合に、自分の思惑通りの値動きだと儲けることができ、反対だと損をします。その儲ける精度を上げるために、チャートによるテクニカル分析や、過去のデータ・値動き、コンピューターなどを駆使して、戦略を練るわけです。でもこれは勝つか負けるか、どちらかしかないギャンブル、つまり「投機」です。投機とは、その字のごとく、機(=タイミング)を見て財を投げることです。

投機は、価格差から収益を期待する運用ですので、誰かを出し抜くことで儲けることができます。例えば、あなたがA社の株が上がるという情報を得たとします。早速その株を購入したいですが、A社の株を購入するには、必ずA株を保有する誰かが売却してくれないと購入できません。A社の株を売却してくれるのは、あなたと同じ情報を持っていない方に限定されます。もしあなたがA社の株を買うことができ、情報通り株価が上がり収益を得ることができたならば、それはあなたに株を売った人から収益機会を奪い、勝った結果と言えます。

では今度は逆にあなたが保有するA社の株が下がるという情報を得たとします。あなたはいち早くA社の株売りたいわけですが、それは誰か他の人に買ってもらわなければなりません。対象者はあなたと同じ情報を持っていない人に限られます。もし運よく売却ができ、その後情報通り株価が下がった場合、あなたは損を回避できた一方、あなたの株を買った人は損をします。つまりあなたは、自分が被るかもしれなかった損失を株購入者に付けた、つまり勝ったわけです。

投機は「ゼロサムゲーム」と言われます。サムは足すの意味ですので、ゼロサムで、合計するとゼロになる、つまり奪い合いのゲームです。儲ける人がいれば、必ず同じ分損する人が居るのです。あなたが億り人になると、どこかの誰かがその分損をし、不幸になっている可能性があるのがゼロサムゲーム・投機です。

投資とは

一方「投資」とは、あなたの持つ資金を、必要としている人や企業に提供し、活用してもらい、働いてもらうことで価値創造から収益を期待することです。

銀行預金は、あなたが今すぐ必要としないお金を銀行に預けます。銀行は資金を必要としている人や企業(例:住宅ローンを組みたい人、新規に工場を建設したい経営者など)に融資をします。融資先は期限に元本と金利を返します。銀行は金利の一部を預金者と分け合います。銀行があなたの代わりに働いてくれるのが預金です。

債券は、あなたが今すぐ必要としないお金を企業に貸します。借りた企業はその資金を活用して事業をします。企業は約束の期日に元本と金利をあなたに返します。あなたの代わりに貸出先が働いてくれるのが債券です。

株式は、あなたが今すぐ必要としないお金を企業に出資します。企業の経営者や従業員は、その出資金を活用して事業を行います。事業で収益を上げることができれば、あなたは配当を受け取ります。逆に収益を上げることができなければ、配当はもらえないかもしれません。あなたの代わりに出資先が働いてくれるのが株式です。

資本の提供方法は様々ですが、いずれにせよ手持ちの資金が、預金や債券や株式を通して、今必要としている人や企業に渡り、有効活用され、そこから収益を分け合うことができるのが投資です。

投機と投資の共通点と相違点

投機と投資の共通点は、
・どちらも資金を提供するという点では一緒です。
・そしてどちらとも、「損するかもしれない」という不確実性(リスク)が存在します。

相違点は、
・投機は思惑通りの価格変動を期待し、投資は資金を出資先の価値創造を期待します。
・投機は他者を出し抜き、投資は社会全体の発展に貢献しようとします。
・投機はゼロサムなので、必ず勝者と敗者に分かれますが、投資は資金の出資者も出資してもらった側も、さらに社会も勝者になれる可能性がございます。

以上資産運用には2種類あることがお分かりいただけましたでしょうか。投機と投資は本質がだいぶ違います。
私自身は以前、投機と投資の違いを知らず、株式のデイトレードを資産運用と思いながらずっとしておりました。(多分今でも多くの方がこの意識かもしれませんが)結果的に大きな損で被りました。調べればわかることですが、株式市場参加者の7割以上は、命を懸けて戦う運用のプロや機関投資家です。たまに勝てたとしても、長年勝ち続けることは到底難しいです。

投機はギャンブルですから、勝った負けたでそれはそれで楽しかったのですが、投機と投資の違いを知った今、どうせ資金を提供するのであれば、社会に役に立つ形で使ってもらい、その上で増やせる方がより意義があると思い、今ではもっぱら長期前提の株式や債券の運用をしております。是非皆さまも、資産運用の本質の部分も知った上で取り組んでいいただければと思います。

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