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海外駐在員が帰国前にしておきたいこと‐金融編

海外での駐在任期を終え日本に帰国する際、業務の引継ぎだけでなく、生活基盤を日本に戻すことで、色々と済ませておくべき手続きが出てまいります。今日は金融関連で押さえておくべき手続きを3点ご紹介しておきたいと思います。

1.銀行口座

海外に開設した銀行口座は、今後もご出張の機会がある場合や、現地通貨での不動産収入がある方などは、そのまま保有し続けるのがよいでしょう。また現地通貨建ての保険を契約されている場合は、将来解約金の受け皿として保有し続けるのもよいでしょう。

口座を閉鎖する場合は、通常は銀行窓口での手続きになりますが、もし日本帰国後に閉鎖する場合は、電話や書面でのやり取りが別途必要になりますし、残預金の国際送金の手間と費用もかかりますので、できれば帰国前に閉鎖することをお勧めいたします。
もし海外で引き出し可能なATMカードが付帯している場合は、ご帰国後に日本の金融機関(セブン銀行等)のATMで、全額引き出してしまうのも一つの方法です。(1日あたりの引き出し金額制限や、引き出し手数料が銀行によってかかります。)

日本帰国後も銀行口座を継続保有する場合は、ATMカードの暗証番号は、ご家族とシェアしておくことをお勧めいたします。口座保有者に万が一の際、相続人が正式な方法で口座預金残高を引き出そうとすると、銀行に対して、正当な相続人であることを認証するのに、国際間のやり取りが発生し、公的書類の翻訳や弁護士認証など、費用も時間もかかります。
しかしATMカードの暗証番号さえご家族にお伝えしておけば、ご本人に代わって日本のATMで引き出しが可能です。(かかりうる税金については、別途税理士に相談するようにしてください。)

カントリーリスク分散の観点で、口座を継続保有するのも一つの考え方です。しかし海外の銀行口座は、居住時のみ保有可能で、帰国後は口座保有ができない場合もありますので、必要に応じて銀行にご確認下さい。

2.海外の保険契約

現地で証券口座をお持ちの方は、帰国後通知先住所の変更を忘れずに手配しましょう。また帰国後は、現地証券口座内の株式売買で得た収益も確定申告する必要が出てまいりますので、明細(取引)履歴は、印刷やPDFで保存しておくとよいと思います。

現地で保険を契約された方は、契約時の代理店担当者とメールや電話でいつでも連絡が取れるようにしておきましょう。そして日本の引っ越し先住所が確定しましたら、住所変更手続きを必ず行いましょう。

また1の銀行口座同様、証券口座や保険契約の存在と契約内容は、ご家族の方や保険契約上ご指定されている受取人と必ずシェアしておくようにします。

海外の金融機関は、当たり前ですが、その国の法律に則って営業しており、日本の法律の影響を受けません。つまり契約者ご本人やご家族からご連絡がなければ、契約者や被保険者の死亡を知る余地が現状ありません。もしご本人以外の方が証券口座や保険契約の存在を知らないと、せっかくの株式や、契約者(被保険者)が残した死亡保険金を受け取り損ねてしまう可能性がございます。万が一の時に、必要な手続きがスムーズにできるよう、証券口座詳細、保険契約内容や契約書の保管場所は、ご家族でシェアしておくようにしましょう。

以前弊社で実際にあった例ですが、ある男性Aさんが香港の積立保険商品を契約されておりました。保険料の支払いはAさんご自身のクレジットカードで、自動引き落とし決済をされていましたが、ある時その自動引き落とし決済がされなかったため、保険会社から保険料支払いの滞納連絡が弊社に入りました。確認のためAさんにご連絡差し上げたところ、ご家族曰く最近事故でお亡くなりになったとのことでした。(死亡を確認した金融機関が、Aさんのクレジットカードをストップしたため自動引き落としがされなかったと推測します。)

その後、弊社は奥様(保険金受取人)にご連絡し、ご主人が残した死亡保険金があるので、お受け取りのいただくお手続きをお手伝いさせていただきたい旨お伝えしましたが、ご主人が香港の積立商品をご契約されていたことをご存じなく、また弊社が海外の会社だったため、海外投資をうたった詐欺と勘違いされてしまったようで、なかなか信じていただけませんでした。結局ご自宅まで伺わせていただき、保険契約の経緯や詳細、弊社の役割をご説明差し上げたことでようやくご納得いただき、保険金の支払い手続きが進みました。

今回のケースは、クレジットカードの自動引き落とし決済による保険料支払いだったため、契約者死亡を知ることができましたが、もし保険料払い済の保険契約ですと、死亡直後に知ることは難しくなります。

3.海外にいる今だから契約可能な保険に加入する

海外居住の日本人にとって、「海外の保険に加入できること」は大きなメリットですので、海外の「米ドル建て貯蓄性保険」を是非勉強してください。資産運用の目的は、ご自身の老後資金、お子様の教育資金など人それぞれですが、日本の貯蓄性保険より有利な運用が可能です。契約通貨は、米ドル建てをお勧めいたします。なぜなら、今のところ米ドルが世界で最も信用が高い通貨の一つだからです。資産運用において通貨の分散をする場合、我々日本人は、日本円の次に準備すべき通貨は米ドルです。

主要産業=カントリーリスクの低減

次にご契約の場所ですが、お勧めは香港です。なぜなら香港は「主要産業が金融」だからです。有事の際、国が最初に守ろうとするのは主要産業です。

日本の場合は、輸出関連企業が日本経済を支えている構造が長く続いています。従ってどちらかというと円安が歓迎される傾向があります。捉え方によっては、円高とは円が強い状況ですから、原材料を安く海外から調達できたり、海外旅行先で色々なものが安く買えたり、海外からの輸入品が安く買えたりといい面もあるのですが、主要産業主導で考えると、極度の円高は、輸出企業の海外における競争力低下を意味しますから、色々な是正が働き、いつの間にか一定の為替にいつも落ち着いてきました。過去20年のドル円相場を振り返りますと、ずっとこの繰り返しでした。

しかし物価上昇率を比較すると、過去20年間のアメリカのインフレ率は年平均2.2%だったのに対し、日本はデフレ経済でほとんどインフレしませんでした。インフレとは貨幣価値の減少を意味しますから、貨幣価値が下がったアメリカと、ほとんど変わらなかった日本の関係は、かなり円高になっていてもおかしくないのですが、20年前も今も、1米ドル=100円前後でほぼ変わっていません。これは実質的に、日本円がドルに対して弱くなっていることを意味します。ただ自国の主要産業が打撃を受ければ、それは国全体の問題です。政府が日本の主要産業を守るための政策として、現在の為替相場なのかもしれません。

そして香港の場合は、主要産業は金融です。世界の人々に受け入れられる金融を維持できなければ、自国経済が成り立ちません。世界に通用する金融を維持するために、金融機関に対する様々な法律が厳格に整備されています。保険業は保険業監管局(Insurance Authority)、証券業は証券及期貨事務監察委員会(Securities and Futures Commission)が厳しく監督しております。我々が安心して投資ができる環境が香港にはあります。(もちろん自由競争による素晴らしい金融商品も多いです)

昨年のデモ騒動から今年制定された国家安全法の施行を観て、今後の香港を心配される方が多いようです。しかし香港は、既に1997年から中国に返還されており、香港の正式名称も「中華人民共和国香港特別行政区」ですから、既に中国の一部です。そして返還後23年の間、中国は香港を利用し世界中から資金を集め、そして香港は中国の経済成長を利用しながら成長し、相互メリットを享受しながら今日の経済発展を共に遂げてきました。この関係性はこれからも、おそらく大きくは変わらないと私は思っておりますし、同じような見解をされる方も多くいらっしゃいます。事実目標相場圏制度を採用している香港ドルは、米ドルに対してずっと高値に張り付いています。(=香港ドルは米ドルに対して買われ続けており、資金が香港に流入していることを意味します。下図参照)

内閣府参与の原丈人さんの香港に関するコメントはこちら

1米ドル=7.75香港ドルに張り付いたままの為替相場

主要産業は、常に国の強力なバックアップがあります。繰り返しになりますが、香港の主要産業は金融です。大切な金融資産を保有するのに適した場所のひとつと言えます。アジアの多くの富裕層が香港を選択する理由も、そこにあると思います。具体的な日本と海外の商品比較については、別の記事(下記)をご参照ください。また保険に関するご相談はいつでもお受けしておりますので、遠慮なくお問い合わせください。

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