insurance 保険

11月7日の昨日は、暦の上で日本は立冬でしたが、秋真っ盛り。紅葉も色づいてきて秋の食べ物がおいしい季節になってきました。そして年末に向けて、年末調整に必要な書類の準備もそろそろですね。日本で保険契約されている方は、保険料控除申告書を提出することになります。

弊社では、海外(オフショア)保険の申し込みやアフターフォローをお手伝いさせていただいておりますが、その際、「香港や海外の保険は控除の対象になるのか」、という質問をよくいただきます。結論から言うと、残念ながら海外の保険は、個人・法人申し込み共に控除の対象にはなりません。

となると、海外保険には税控除のメリットはないわけですから、保険を何もわざわざ海外で契約する必要はないのでは、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、海外保険には、それ以上のメリットがあると私は思っています。台湾在住の方、台湾駐在の方は、今こそこのメリットを利用していただきたいと思っています。今日はその海外保険のメリットについて観ていきましょう。

1.リスク低減効果-通貨の分散

まず円建て以外の保険を保有することで、資産運用で重要な要素の1つである、「通貨の分散」が可能です。日本で生活していると、普段日本円以外を利用することはまずありませんから、中々通貨を分けて持つという感覚が持ちにくいのですが、これは必ず意識していただきたいリスクのひとつです。

例えば、ご自身の資産を日本円と米ドルに半分ずつ分けて保有したとします。そうすると、円高に振れようが、ドル高に振れようが、結局一方の通貨が上がった時、もう一方の通貨は下がることで、常にプラスマイナスゼロになれるわけです。これがリスク分散の考え方です。ですから日本円以外の外貨を保有する際、まず最初に持つべき外貨は、現状ではやはり米ドルです。そして次にユーロ(円・ドル・ユーロの世界三大基軸通貨問われて久しいですが)、といった順序が考えられます。

ちなみに通貨の分散方法として、外貨預金や外貨建て投資信託で保有する方法もありますが、この2つは利益が出た場合に都度納税義務が発生します。一方保険は解約するまでは非課税ですから、いちいち手間がかからないというメリットがあります。

2.リスク低減効果-カントリーリスク

日本国内で米ドル建て保険を契約したとしても、通貨の分散は可能です。しかし海外で契約することで、通貨の分散と更に「カントリーリスク」もセットで低減できるのが大きなメリットです。日本以外の場所で保険を契約することで、日本の法律の影響を受けない資産を保有することができます。なかなか日本人には国を分けて資産を持つ、という感覚が持ちにくいかもしれませんが、日本は絶対に財政破綻しない、日本は戦争はない、とも言い切れない時代だからこそ、できるリスクヘッジは是非しておきたいところです。

3.信用リスク

そもそも契約者が何かしら困った時に支払いに応じるのが保険会社です。ですから、保険庁等の公的機関は、保険会社の財務健全性のチェック(ソルベンシーマージン)は定期的に行っており、日本の保険会社も、海外の保険会社も、それぞれの国の厳しい法律に則り営業しています。とはいえ、日本では過去に保険会社が破綻したケースは実際にありました。(ただ保険庁が監督不行き届きとして取り上げられることがなかったのは何ともおかしな話ですが)しかし香港では、過去に破綻した保険会社は今のところ一社もありません。もし金融が経済の柱である香港で保険会社が破綻したとなれば、域内の金融業界全体へのダメージも相当であり、当然当局の監督体制の不備も指摘されるでしょうから、香港の金融機関への監督は、実は相当厳しいです。特に香港の保険に関しては、新たに設立されたInsurance Authority (保険業監管局ー2015年に設立した政府独立機関で、香港の保険会社、代理店、ブローカーを監督する機関、 https://www.ia.org.hk/en/index.html)が目を光らせていますので、資金を預ける我々には大きな安心材料と言えます。

4.日本より高い利回り

保険会社は、将来支払が必ず発生しますから、過度の運用リスクは取れません。米ドル建て保険であれば、保険会社は契約者から資金を預かり、米ドル建ての様々な債券に分散投資するイメージです。そしてそのメインとなる投資先は米国債です。世界で最も豊かな国の債券ですから、信用リスクが低いのはお分かりいただけると思います。そして米国債の利回りは、昨今はコロナウィルスの影響でだいぶ下がってしまいましたが、少し前までは10年物でも年利3%ぐらいは普通に貰えました。一方アメリカFRBのインフレターゲットは2%なので、単純にアメリカ政府にお金を貸していれば(米国債に投資していれば)資産を増やすことができたわけです。

更に保険会社の場合は、米国債10年物以外にも、超長期国債や、その他様々な社債などにも分散投資しますので、結果的に中長期で、5%前後の利回りを契約者に還元するのが現状では一般的になっています。5%のリターンで、2%のインフレであれば、実質リターンは3%になりますから、例え日本の税控除がなかったとしても、資産運用のツールとして十分すぎるほど機能します。

一方日本政府にお金を貸す場合は、マイナス金利、という言葉を聞いたことがあると思いますが、日本国債の利回りは長年低迷しています。

日本国債10年物の金利推移

これだけ金利が低いと、国債で運用する保険会社にとっては当然契約者にリターンを還元するのが厳しい状況となりますから、少し前に日本の保険会社の多くは、一時払いの貯蓄性の保険商品の販売停止をせざるを得なくなりました。

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また日本銀行の金融政策は、FRB同様の年2%の物価上昇(インフレ)を目標にしていますから、もしインフレ目標が達成されるとなると、年利2%の利回りが見込めない保険で運用すれば、それはただの資産の目減りを意味します。

保険が持つ2つの性質は「保障」と「運用」です。将来のために増やそうと、貯めようと思った「運用」が、数十年後全く増えてない、むしろ減ってしまった、なんてことにもならないように、皆さんが現在加入されている保険がどんなものか、しっかり把握しておきましょう。

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