台湾駐在員が帰国前にしておきたいこと~金融編~

台湾での駐在任期を終え日本に帰国する際、業務の引継ぎだけでなく、生活基盤を台湾から日本に戻すことで、色々と済ませておくべき手続きがございます。今日は金融関連で押さえておくべき手続きを3点ご紹介しておきたいと思います。

1.銀行口座

台湾に開設した銀行口座は、今後も台湾へご出張の機会がある場合や、台湾ドルでの不動産収入がある方などは、そのまま保有し続けるのがよいでしょう。また台湾ドル建ての保険を契約されている場合は、将来解約金の受け皿として保有し続けるのもよいでしょう。

口座を閉鎖する場合は、通常は銀行窓口での手続きになりますが、もし日本帰国後に閉鎖する場合は、電話や書面でのやり取りが別途必要になりますので、帰国前に閉鎖することをお勧めいたします。
もし海外で引き出し可能なATMカードが付帯している場合は、ご帰国後に日本の金融機関(セブン銀行等)のATMで、全額引き出し、口座を放置しておくのも一つの方法です。(1日あたりの引き出し限度制限や、引き出し手数料が銀行によってかかります。)

日本帰国後も銀行口座を継続保有する場合は、ATMカードの暗証番号は、ご家族とシェアしておくことをお勧めいたします。口座保有者に万が一の際、相続人が正式な方法で口座預金残高を引き出そうとすると、銀行に対して、正当な相続人であることを認証してもらうために、日台国際間のやり取りが発生します。公的書類の翻訳や弁護士認証など、費用も時間もかかります。
しかしATMカードの暗証番号さえご家族にお伝えしておけば、ご本人に代わって日本のATMで引き出しが可能です。(かかりうる税金については、別途税理士に相談するようにしましょう。)

カントリーリスク分散の観点で、口座を継続保有するのも一つの考え方です。しかし台湾の銀行口座は、通常台湾居住者のみ保有可能で、帰国後は口座保有ができない場合もありますので、必要に応じて銀行にご確認下さい。

2.台湾の保険契約

台湾で保険を契約された方は、契約時の代理店担当者と連絡が取れるようにしておきましょう。そして日本引っ越し先の住所が確定しましたら、通知先の変更手続きを必ず手配しましょう。

また1の銀行口座同様、保険契約の存在と契約内容は、ご家族や保険契約上ご指定されている受取人と必ずシェアしておくようにします。

台湾の保険会社は、良くも悪くも日本の法律の影響を受けません。従って契約者ご本人やそのご家族から直接ご連絡がなければ、契約者や被保険者の死亡を知る余地が今のところありません。もしご本人以外の方が保険契約の存在を知らないと、せっかく契約者(被保険者)が残した死亡保険金を受け取り損ねてしまう可能性がございます。万が一の時に、必要な手続きがスムーズにできるよう、保険契約内容や契約書の保管場所は、ご家族でシェアしておくようにしましょう。

以前弊社で実際にあった例ですが、ある男性Aさんが香港の積立保険商品を契約されておりました。保険料の支払いはAさんご自身のクレジットカードで、自動引き落とし決済をされていましたが、ある時その自動引き落とし決済がされなかったため、保険会社から保険料支払いの滞納連絡が弊社に入りました。確認のためAさんにご連絡差し上げたところ、ご家族曰く最近事故でお亡くなりになったとのことでした。(死亡を確認した金融機関が、Aさんのクレジットカードをストップしたため自動引き落としがされなかったと推測します。)

その後、弊社は奥様(保険金受取人)にご連絡し、ご主人が残した死亡保険金があるので、お受け取りのいただくお手続きをお手伝いさせていただきたい旨お伝えしましたが、ご主人が香港の積立商品をご契約されていたことをご存じなく、また弊社が海外の会社だったため、海外投資をうたった詐欺と勘違いされてしまったようで、なかなか信じていただけませんでした。結局ご自宅まで伺わせていただき、保険契約の経緯や詳細、弊社の役割をご説明差し上げたことでようやくご納得いただき、保険金の支払い手続きが進みました。

今回のケースは、クレジットカードの自動引き落とし決済による保険料支払いだったため、契約者死亡を知ることができましたが、もし保険料払い済の保険契約ですと、死亡直後に知ることは難しくなります。

3.台湾にいる今だから契約可能な保険に加入する

海外居住の日本人にとって、「海外の保険に加入できること」は唯一無二のメリットです。是非海外の「米ドル建て貯蓄性保険」をご検討ください。ご自身の個人年金、お子様の教育資金、目的別の養老保険など、色々な利用方法があり、間違いなく日本の貯蓄性保険より有利な運用が可能です。契約通貨は、台湾ドル建てより、米ドル建ての保険をお勧めいたします。なぜなら、米ドルが世界で最も信用が高い通貨の一つだからです。資産運用において通貨の分散をする場合、我々日本人にとって日本円の次にくる通貨は米ドルです。

次にご契約の場所は、台湾ではなく、香港をお勧めいたします。なぜなら香港は「主要産業が金融」だからです。有事の際、国が最初に守ろうとするのは主要産業です。

一方台湾の主要産業は、金融よりもIT・電子関連企業が世界に秀でた分野ではないでしょうか。もし台湾に大きな経済危機等が発生すれば、そういう企業支援を優先した政策をとると思います。

また日本の場合は、輸出関連企業が日本経済を支えている構造が長く続いています。従ってどちらかというと円安が歓迎される傾向があります。捉え方によっては、円高とは円が強い状況ですから、原材料を安く海外から調達できたり、海外旅行では色々なものが安く買えたり、海外からの輸入品が安く買えたりといい面もあるのですが、主要産業主導で考えると、極度の円高は、輸出企業の海外における競争力低下を意味しますから、色々な力が働いていつの間にか是正されます。

過去20年を振り返りますと、ずっとこの繰り返しをしているのが円ドル相場です。過去20年間のアメリカのインフレ率は年平均2.2%でした。一方日本は、デフレ経済でほとんどインフレしませんでした。この両国の環境を考慮すれば、本来1米ドル50円ぐらいになってもよいわけですが、そうなっていないということは、日本円がドルに対して相当弱くなっていることを意味します。とは言え、自国の主要産業に大きな影響があれば、それは国全体に波及しかねませんので、主要産業をまず守ろうとするのは、ごく当たり前の事でもあります。

ところが香港は、主要産業が金融です。世界に受け入れられる金融を維持できなければ、自国経済が成り立ちません。世界に通用する金融を提供するために、金融機関に対する様々な法律が厳格に整備されています。保険業は保険業監管局(Insurance Authority)、証券業は証券及期貨事務監察委員会(Securities and Futures Commission)が厳しい規制のもと監督しております。金融商品を契約する我々にとって、安心できる地域であり、また世界に通用する金融商品が多数あります。

最近の香港を、去年のデモ騒動から国家安全法制定に至る中で、中国との関係性について心配される方が多いようです。しかし香港は、既に1997年から中国に返還されており、香港の正式名称も「中華人民共和国香港特別行政区」ですから、既に中国の一部です。そして返還後この23年の間、中国は香港を利用し世界中から資金を集め、そして香港は中国の経済成長を利用しながら成長し、相互メリットの関係で今日の経済発展を共に遂げてきました。この関係性はこれからも、おそらく大きくは変わらないと私は思っており、実際同じような見解をされる方も多くいらっしゃいます。事実目標相場圏制度を採用している香港ドルは、米ドルに対してずっと高値に張り付いています。(=香港ドルは米ドルに対して買われ続けています。下図参照)

内閣府参与の原丈人さんの香港に対するコメント

1米ドル=7.75香港ドルに張り付いたままの為替

主要産業は、国の強力なバックアップがあります。繰り返しになりますが、香港の主要産業は金融です。つまり大切な金融資産を保有するのに適した場所です。アジアの多くの富裕層が香港を選択する理由も、そこにあると思います。具体的な商品比較については、下記をご参照ください。また保険に関するご相談はいつでもご連絡ください。

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